インドで生きるということ/a Japanese living in India

意識高い系の旧帝大卒文系男子がインドに現地採用されてせっせと働く話

南インド旅行・3日目(後半):ポンディシェリ

3日目後半。ポンディシェリについて語ります。

 

 

ポンディシェリとは

ポンディシェリ(タミル語:பாண்டிச்சேரி, 仏語:Pondichéry, 英語:Pondicherry)は、インド東海岸タミル・ナードゥ州隣接地域に位置するポンディシェリ連邦直轄地域の首府。元フランスの植民地。17世紀から18世紀にかけてフランス領インドの首府であり、その後も非軍事的な植民地として英領インドのなかでフランス領として存続した。連邦直轄州の境界線はかつての国境線そのものであるが、フランスが半世紀以上かけて村落単位で植民地を広げていったため、いくつもの飛地が入り組んだ状態になっている。

現在でもタミル語英語とともにフランス語が話されており、またフランス極東学院研究センターなどフランスの研究機関が設置されている。 なお、域内にはインドにおける古代ローマ人の居留地で、ローマ金貨などが出土するポドゥケー遺跡(アリカメードゥ英語版)がある。(wikipedia「ポンディシェリ」より)

 歴史的な経緯から大英帝国の支配が及ばずフランス領でした。しかも、第二次大戦後にインドが大英帝国から独立したあともしばらくは仏領のままだったという面白い場所。

世界史を履修した方には伝わりますが、シャンデルナゴルと一緒に覚えたあの都市です。世界史が好きな自分としてはかなり関心のある地域です。

現在はポンディシェリ連保直轄地域という特殊な行政区画にあり、インドでは物価の割にずいぶんと高いアルコール類の酒税が全額免除されていたりするなど、特異な場所です。

なのに『地球の歩き方(2018)』では4ページしか割かれていないんですよね。みんな全然興味ないの?

 

ポンディシェリ到着

長時間のバスだったため、午後2時ごろ、うとうとしながら到着しました。

一般論としてはどうなのかは分かりませんが、私は海外の交通機関でも荷物をしっかり抱いてしょっちゅう寝ます。警戒さえしておけば、アジアは治安の面では問題なく過ごせる印象です。同じことを欧米で旅すると色々危なそうだとは思う(行ったことないから知らんけど)

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「ポンディシェリー」の文字の書かれたあたりのバスストップへ到着。

なお、ガイドブックや旅行者ブログで言われるポンディシェリとは、画像右にある「ホワイトタウン」という区画のことを指しています。なので、到着したエリアではフランスの気配などちっとも感じません。

 

ホワイトタウンの中心部まで数キロあるのでリクシャーを使う。確か150ルピー。

散策

昼食を食べつつ、うろうろしました。

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南インドでも見かけるけど、ポンディシェリでは特によく見かけたクラシックカー。

おしゃれな区画にあると更にかっこいいです。メーカーは結局分からず。

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区画がフランス語で書かれています。

これは事前に調べて知っていたけれども、実際に見てみると「すげぇ」と感じます。

インドとイギリス・英語は容易に結び付きますが、インドとフランス・仏語ってなかなか結び付かないので私は面白いと感じます。

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プロムナードビーチ(Promenade Beach)

意外と普通のビーチです。

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Arulmigu Manakula Vinayagar Temple。

ちょうど到着したころに、象が寺院から出てくるところでした。よく出られたな(というか入れたな)というようなサイズ感です。

象はお化粧をしてありとても可愛い。10ルピーを象に差し出すと鼻で頭を撫でてくれます。私もやりました。ちなみにお金(紙幣)は象が鼻で回収して、象使い?に渡していました。なんとも器用。

象が来たことで大量に人が集まっていました。こうして見ると他のエリアでほぼ見かけなかった西洋人が多いです。あとたまに英語でない言葉を西洋人が話していたので、おそらくフランス語じゃないかなと思っています。

ちなみにアジア人については、私以外ではここでも

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1人しかいませんでした。

キリスト教会

フランス領だった影響からキリスト教会が多いです。

東インド会社の拠点だったチェンナイ(旧マドラス)でイギリス式の建築物が多いのと同様ですね。

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Immaculate Conception Cathedral.

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Norte dame des Anges.

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Basilica of the Sacred Heart.

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写真だとわかりにくいですが像の下にはタミル語が表記されています。

キリスト教徒とタミル語もなかなか頭の中では結び付かない…興味深いです。

とはいえ、結局インドだった

とはいっても結局は「インドの中のフランス」であり、インド的な人たちや景色も。

まず、道は結構汚い。インドあるあるのゴミが道のわきに散らばっている光景は変わりませんでした。あとはフランス式のコロニアルな建築物などが残っているけれど、大半はきれいな状態ではありません。

次に、野良犬がイメージより多い。おかげで汚いイメージが増幅します。

野良犬は狂犬病*1を保有しているリスクがあり,内だけで年間20,000人が狂犬病で死亡しています。

個人的には「国を発展させる気があるならさっさと全部駆除しろ」と思っています。犬自体は好きなんですが。

そして最後は普通の都市よろしく物乞いが話しかけてくるんです。フランスを感じたくてここに来たっていうのに、インド式のクレクレをやられるといつもよりウザいです。

 

ポンディシェリを訪れたブログなどではこの辺りに言及せずに「キレイ」「美しい」「いい意味でインドらしくない」と礼賛する記事がほとんどでしたが、私としては結局インドだなあと思いました(笑)

 

これがポンディシェリの大衆宿だ

 

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VILLA LABOURDONNAIS GUEST HOUSE(フランス語なので読めない)

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700ルピー。タンジャブールより観光地のようで、何件か回ったホテルは空きがなかった。

狭い部屋、冷蔵庫、天井のファン、ぬる~いシャワー、何とも言えない位置のテーブル。正直、前日のホテルよりクオリティは低い気がする。ただしトイレットペーパーとバスタオルとバスローブが付いてきたので、価格を考えると妥当かなとも思う。

日本円にしても1,100円ほどなので安いのは事実ですね。

 

ちなみに、オーナーがフランス人でした。「フランス系インド人ってこと?」と思い国籍を聞くと、いやいやインドな訳ないというような雰囲気で「フランス」と答えます。本国から来てこっちでビジネスやっているのかな?それも随分面白い話ですね。

 

食べたもの

ミールス

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6時半ごろバスストップの食堂にて。40ルピー。

本当は35ルピーだったんだけど、なぁなぁでお釣りが返ってこなかった(笑)

質素なんだけど安いので問題なし。トレイに入ったマッシュポテト?のようなものにカレーをかけて食べる。

コーヒー(カフェオレ)

画像なし。クンバコーナムのバスストップで。小さい器で10ルピー。

厳密にはカフェオレ。

北インドではチャイを飲む習慣が定着していますが、南インドではコーヒーを飲む習慣があります。そして自分も普段はチャイを飲むことはあっても、コーヒーを飲む機会がない。そういうわけでスタンドでオーダー。ちなみに何も言わないとブラックではなくカフェオレが出てきます。味はまあまあ。

ポテトチップス

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クンバコーナム~ポンディシェリのバス内で売り子から購入。10ルピー。

単なるチリ味のポテトチップスかと思いきや、おさつのチップスにチリ味がかかったものでした。予想より美味しく、空腹でもあったので1分ほどで食べ終える。

ビラ

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Soma restaurantにて。

BIRAはキングフィッシャーに次ぐシェア(多分)である、インドのビール。

100ルピー。飲食店でこの価格は安い。ホワイトエールなのでラガーとは全く違う風味で、それもまた美味しい。

なお、グルガオンだと店頭で買ってもビール一本150~200ルピーします。店で飲むと400ルピー~はザラ。どう見ても新橋で飲んだほうが安いです。

ロシアンサラダ&ビーフストロガノフ

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同じ店。左140ルピー、右220ルピー。

そもそも、ポンディシェリは西洋各国料理の選択肢が幅広いです。

他の地域では極めてアクセスしにくい牛肉も提供されています。

したがって、ポンディシェリでいつもみたくインド料理食べるのは愚の骨頂だと思う。

 

インド着任以来、野菜という野菜をまともに食べていなかったので

ロシアンサラダは本当に美味しかった。インド料理、野菜少なすぎ。

マヨネーズの味付けも着任以来初。ずーっとマサラ(カレー)だったからな…。

しかしビーフストロガノフはあまり美味しくない。大味だし、何よりすごく塩辛い

 

二皿ともしっかりボリュームがあったので、サラダだけで良かったかもしれない。

コーヒー(ブラック)

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元々ブラックが一番好きなので、ポンディシェリのスタンドで注文。10ルピー。

味はおいしくもないがまずくもない感じ。チャイはいつも「やっぱ美味いな」ってなるんだけども。

キングフィッシャーウルトラ

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インドでシェア1位のビール。こちらはプレミアム版(だったはず)。宿にて。

100ルピー

美味しいですが、正直チンタオ(中国)やシンハー(タイ)、サンミゲル(フィリピン)などと同じ、よくあるアジアの薄味ラガーです。

フレンチ(魚料理)とキングフィッシャー

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Coromandel Cafeにて。人気店。

キングフィッシャー100ルピー。フレンチの魚は750ルピー高級です。

魚の名前は一応聞いたけど普通に知らない単語でした(笑)

内装もなかなかの高級感があります。

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肝心の味は、久々の魚なので美味しかったんですが、またもや大味でした(笑)

一応フレンチに位置付けられるはずなのに、繊細な風味などが乏しい感じ。

人生でフレンチはほぼ食べたことないんですけど、一度日本で食べたときにはその余りの美味さに感動しました。そのため、味の落差は結構すごいですね。。。

ジェラート

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Gelateria Montecatini Termeにて。人気店。

ドバイクリーム80ルピー+ピスタチオ100ルピー+コーン10ルピー

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ティラミス80ルピー+コーン10ルピー

どちらも美味しいです。日本で食べたらまぁまぁという感じですが、インドではこういうお店がかなり少ないので、それだけでも希少価値が高くておいしく感じます。

それにして食べすぎです。多分、めちゃくちゃ食べる中国人と思われています。

もてなしミールス

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ちょっとしたエピソード。

 

部屋への帰り際にインド人の中年のおっちゃんたち複数に絡まれます。

趣旨としてはせっかくだからカレー食べろ!」とのこと。さっきまで食べていたらしい。

インド人なので疑いにかかり、「無料?マジで無料?」と聞くと「無料だ」と言います。どうやら本当にふるまってくれるそうです。

地面に座れと言われ地べたに座ると、ほどなくして奥さんたち?が目の前にバナナの葉を敷き、ご飯が盛られ、カレーが注がれます。ゆで卵2個までつけてくれます。

(正直ミールスとしては豪華だと思う。卵はポイント高い)

「食べろ食べろ~」と言われるまま右手で食べます。美味いです。美味いですが、さっきフレンチと大量のジェラート食べたばかりなんです(笑)超苦しい。

気合で食べ終わった後はおじさんたちが話しかけてきます。たぶん、酔っている。

東アジア人の観光客が本当に珍しいから、こんな風に絡んでもてなしてくれたんだろうなと感じました。

最後は写真を撮ろうと言われ写真を撮り、それでみんな解散していきました。

 

もうこれでインド人嫌いになれないっす(笑)

謎のオレンジジュース

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(実は翌日朝に飲んだもの)

スタンドにて。5ルピー。安い!

フレッシュなオレンジを絞ってくれるのかと思いきや、清涼飲料水を下からすくい上げ

ジョッキに入れてくれました。炭酸の抜け切ったファンタオレンジです。

 

まとめ

ポンディシェリは個人的にはとても面白いところで、南インド旅行と絡めて足を止める価値のある都市です。

特に、何度かインドを経験したことがあったり、普段現地で仕事をしている人のほうが、ポンディシェリが他の街とどう違うかを感じやすいかな。

そしてそのほうが楽しめる!

 

*1:(ワクチン接種なしで噛まれて発症すると、ほぼ確実に死亡する)