インドで生きるということ/a Japanese living in India

意識高い系の旧帝大卒文系男子がインドに現地採用されてせっせと働く話

南インド旅行・3日目(前半):タンジャブール~クンバコーナム

 

南インド旅行3日目です。この日はバスを乗り換えまくり、合計170キロほど北東へ進みながら旅します。本日の旅の目的は、ポンディシェリです。

 

旅の流れ

タンジャブール(雨)

朝6時前に起床します。前日の記事で紹介したように、24時間チェックイン制度のため

6時過ぎにはチェックアウトしなくてはなりません。

 

結局のところ、20分ほどチェックアウト時刻から遅れてしまったのですが、全く何も言われずにチェックアウトできました。多少は多めに見てくれるようです。

自分たちがアバウトなだけではなく、相手のアバウトさを許容してくれるインドのありかたには、時に感謝しなくてはならないなと思いました。

 

「移動が多いのでさっさと長距離バス乗ろうか」と思いつつ外へ出てみると、

が降っていました。しばし絶句する…。

北インドの雨季は6~9月で、私が着任したのが9月の末なんですね。

なので、インドで雨が降るというのを経験したことがありませんでした。

ただし、南インドは残念ながら10月~11月が雨季なんです。絶句しつつその場で調べた。

 

旅行中の雨は本当に厄介なのでテンションも下がりましたが、バスターミナルは歩いて数分なので駆け足で向かいました。

タンジャブール~クンバコーナム

午前6時30分前でお腹もさほど空いていませんでしたが、次のバスで一時間と少し乗り続けることになるので、小腹を満たそうと思い食堂に行きました。

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2階建ての店内から見える景色。晴れた日には猥雑に見える景色も、

雨天で朝もまだ早いということでしっとりして見えます。

屋根のある空間から見下ろせば、なかなか良い景色だな。

 

食後、店を出る。クンバコーナム行きのバスを探す。

バスターミナルでは初日の夜のように、発車前の車にいる運転手や利用客に向かって「クンバコーナム?」と聞きながら探します。相変わらずどこを見てもタミル語表記しかされていないので、文字が読めない以上こうする他ありません。ただし近隣の主要都市同士、便数がかなり多いことはすでに調査済みなので焦らずにいられます。

(平日・休日などで違いはあるでしょうが、おそらく20分に一本はあります)

 

ほどなくして、もうすぐ発車のバスを発見。乗り込みます。

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距離は約40キロ。チケットは35ルピーでした。*1安い。

インドの長距離バスはこんな風だ 

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3日目(そして4日目)にひたすらバス移動を続けたためなんとなく分かったことです。おそらく形態として2タイプあります。

  1. 夜行バスタイプ(比較的豪華な内装、倒せるシート、ほぼ停まらない)
  2. 路線バスタイプ(ボロボロの内装、倒せないシート、席につけなければ立ち)

そして2の路線バスは更に以下のタイプに分かれます。

  • 特急タイプ(主要な都市・バス停以外は飛ばす)
  • 鈍行タイプ(指定されたバス停では都度停まる。けど長距離移動する)

料金は1のほうが2より高いです。特急と鈍行はおそらく同金額。

以下では路線バスタイプの解説をしていきます。

内装

路線バスタイプの場合、出入口は前方後方に一か所ずつありますが、ドアはありません

ちなみにまだ乗った経験はないですが、鉄道にもドアがないそうです。

ただしシャッターはあるようで、外からの雨を気にして上からガラガラ閉めている乗客がいました。しかし基本的にはドアなしでガンガン進みます。

また、インドのバスは全体的にボロいです。今回乗ったバスも天井からの雨漏りしている箇所がいくつかありました。窓枠などもきしんでいたりして、何発か叩けば窓ガラスも外れそうなほどでした。

その他

途中で物売りが乗ってきて駄菓子・スナック菓子を売りに来ます。

新興国あるあるですよね。フィリピン・マニラの高速バス内でダンキンドーナツの売り子がぐるぐる回っていたのを思い出します。

しかしながら、驚いたことにバス内で「政治演説」をする場面にも出くわしました。

同じTシャツを着た2人組が乗ってきたと思うと、10分ほど現地語で熱弁し、その後ビラと引き換えにカンパを募っていました。

(3日目午後のこと。むろん聞き取れないので「政治について語ってるの?」と隣のおじさんに聞いたところ「YES」との回答が。)

 

更には、車内でBGMが爆音でかかっている車両もあり、2回乗ることになりました。

これは意外過ぎてたまげた。流れているのはインドのポップスでした。当然曲名も何も分からないが、迫力に飲まれる。

 

クンバコーナム~ダーラースラム

 1時間ほどでクンバコーナムへ到着し、下車。

しかし、ここからダーラースラムは西に4キロほど。実は、今バスで来た道を戻ることに。

GPSを睨みながら乗っていたものの、下手なところで降りるとそれはもっと面倒だと思ここまで来てしまいました。

 

くわえて、雨もかなり強まっていたのでしばし雨宿りつつ、バスストップを探しに進む。しかしなかなか見つからず、雨にいら立ちも覚えたため、リクシャーを捕まえダーラースラムまで向かいます。

自分「100ルピーで」

ドライバー「それは無理、150ルピー」

自「高すぎ…120ルピー」

ド「わかった」

 という一連の流れがあり、120ルピーで向かってもらいました。

 

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4,5キロの距離でこの価格なのでバスに乗った後だとずいぶん贅沢な乗り物だと感じてしまいますが、バスが安すぎるだけです。

ダーラースラムとは

簡単に言うと、「アイラーヴァテシュワラ寺院」のある町です。

こちら、前述したタンジャブールの世界遺産である「ブリハーディシュワラ寺院」(1987年登録)に関連するもので、これに紐づくような形で「大チョーラ寺院群」として世界遺産に登録されました(2004年)。なお、近隣の町ガンガイコンダチョーラプラムにある「ブリハーディシュワラ寺院」(同名)も同様の形式で世界遺産に登録されています。世界遺産としての観点では、本体に付随するような2つの寺院です。

もし仮に、アイラーヴァテシュワラとブリハーディシュワラ(ガンガイコンダチョーラプラム)だけを観た際、果たして「世界遺産を見た!」と言えるんですかね?(笑)

 

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基本的にはブリハーディシュワラ寺院の様式と同一です。

朝9時過ぎ、周囲が田舎で小雨もやまないということで観光客は私一人だけでした。

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ナンディーはここにもいます。

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法輪(ダルマ・チャクラ)と象、馬の彫刻。美しいです。

 

ダーラースラム~クンバコーナム

リクシャーで寺院へ来る途中、近くにバスストップがあることを確認したのでそこへ向かう。ほどなく路線バスが到着。例によって「クンバコーナム?」と聞きつつ乗る。

先ほどバスを降りた道まで新たなバスで再び戻る。8ルピー。

バス乗るとリクシャー乗れなくなるね(笑)

 

クンバコーナム~ポンディシェリ

10時過ぎにバスストップへ到着。

ここからガンガイコンダチョーラプラムに行って寺院を観ようか考えるものの、

  1. 少々アクセスが悪い・便数が少ない
  2. 雨で気力を削がれた

以上の理由で行くのをやめます。また、クンバコーナムにもしっかりした寺院がかなりの数ありましたが、雨だし同じタイプの寺院にも飽きたのでさっさと行きます。

むしろ本日の目的地であるポンディシェリが、インドの中ではかなり特異な場所なので

そこをじっくり見ておきたいと思いました。

 

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クンバコーナム~ポンディシェリ、130キロほどで120ルピー。

バスを探すのに少し迷いましたが、女子大生が教えてくれました。エンジニアリングを専攻しているらしい。

車内では途中で15分ほど休憩もあり、実際の到着には3時間ちょっとかかりました。

 

 

*1:11月22日現在、1ルピー=1.59円